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Opening Guide

精神科・心療内科クリニック開業の
ホームページ準備ガイド

公開日:2026-07-09|最終更新:2026-08-30|執筆:近藤 大貴(精神科医/合同会社クリニカルウェブ代表社員)

開業準備は、物件・内装・採用・行政手続きとやることだらけ。ホームページはつい後回しになりますが、精神科・心療内科では開業初日の新患数を左右する「入口」です。いつから・何を・どう準備すればよいかを、自院のサイトを自ら立ち上げた精神科医の視点でまとめました。

近藤大貴の顔写真
近藤 大貴精神科医 / 三宮駅前こころのクリニック 副院長 / クリニカルウェブ代表

一

精神科は、ホームページが「入口」になる科です

精神科・心療内科の受診は、多くの場合、患者さんが夜ひとりで症状を検索するところから始まります。「眠れない」「気分が沈む」と調べ、たどり着いたサイトを隅々まで読み、受診するかどうかを迷う——電話をかける前に、サイトの上でほとんどの意思決定が終わっています。

だからこそ、ホームページには2つの仕事があります。

広告出稿は止めれば流入も止まりますが、検索で見つかるサイトは、開業後も働き続ける資産になります。開業時にこの土台を作っておけるかどうかが、その後の集患の伸びを大きく左右します。

二

いつから準備するか——開業日からの逆算

おすすめは、開業日の3〜4ヶ月前までに制作の相談を始めることです。院名・ロゴ・診療方針が固まりはじめ、サイトに載せる材料がそろってくる時期だからです。

逆算スケジュールの目安

4ヶ月前制作の相談開始。診療方針・強み・商圏のヒアリング、全体構成の設計
3ヶ月前ページ構成の確定、原稿づくり(診療案内・院長紹介・よくある質問など)
2ヶ月前デザイン・実装。内装写真の撮影もこの頃に間に合わせると効果的
1ヶ月前公開。Web予約システムとの連携、検索エンジンへの登録、最終チェック
開業後検索データを見ながら改善・記事追加。サイトを「育てる」期間へ

※ あくまで目安です。開業日が迫っている場合の進め方もありますので、まずはご相談ください。

「開業してから作ればいい」という考え方もありますが、精神科・心療内科ではおすすめしません。開業直後がもっとも検索される時期(「地域名+新しい 心療内科」など)なのに、そのときサイトがないと、患者さんは情報がないまま他院へ流れてしまいます。

三

何を載せるか——精神科サイトの基本構成

最低限そろえたいのは、次の7つです。

  1. 診療案内——どんな症状・お悩みを診るのか。専門用語ではなく、患者さんが使う言葉で
  2. はじめての方へ——受診の流れ、持ち物、費用の目安。初診の不安を先回りして解消する、精神科ではとくに重要なページ
  3. 院長紹介——経歴だけでなく、診療で大切にしていること。顔が見えることが安心につながります
  4. アクセス——駅からの道順を写真つきで。「迷わず着けるか」も受診のハードルです
  5. Web予約への動線——電話をためらう方は多いもの。24時間予約できる入口を、全ページから1タップで
  6. よくある質問——「会社に知られませんか」「診断書は書いてもらえますか」など、電話で聞きにくいことこそサイトで
  7. 症状別の解説ページ——「眠れない」「気分が沈む」など、患者さんの検索語に対応するページ。検索の入口を増やす、集患の主戦場です

とくに7の症状別ページは、開業時にすべてそろえる必要はありません。まず基本を公開し、開業後に月1〜2本ずつ増やしていくのが現実的で、検索エンジンからの評価も積み上がっていきます。

四

費用の考え方——「初期」と「月額」を分けて見る

クリニックのホームページ費用は、初期制作費と公開後の月額費の2つに分かれます。比較するときは、この2つを分けて見てください。

一般的な水準としては、初期制作費は数十万円台に収まることが多く、月額は数千円から数万円までの幅があります。幅が大きいのは、ページ数のほか、原稿と写真をどちらが用意するか、Web予約システムとの連携をどこまで組み込むかで、作業量が大きく変わるためです。つまり見積額の差は、多くの場合「ぼったくりかどうか」ではなく「任せる範囲の差」です。

費用の内訳——何にいくら払っているのか

見積書の金額は、おおよそ次の要素に分解できます。

初期制作費の内訳

企画・設計診療方針や商圏を聞き取り、ページ構成と患者さんの動線を決める作業
デザイン「安心して通えそう」と感じてもらう見た目をつくる作業
実装(コーディング)デザインを実際に動くサイトに組み上げる作業。スマホ対応もここ
原稿・写真各ページの文章書きと院内・スタッフの撮影。支給前提なら安くなる分、先生の仕事になります
ドメイン・サーバー初期設定サイトの住所と土地を確保し、公開できる状態にする手続き

月額費の内訳

サーバー・ドメイン維持サイトを表示させ続けるための実費。これだけなら月数千円の世界です
更新作業臨時休診のお知らせ、診療時間の変更などの反映。回数と範囲の確認を
分析・改善検索データを見て、ページの改善や記事追加につなげる作業
相談窓口「これは載せていいのか」と聞ける相手がいること。医療では価値が大きい項目です

※ どの項目が見積りに含まれ、どれが含まれないか。この分解表と突き合わせるだけで、各社の見積りが比べやすくなります。

契約前に何を聞いておくべきかは、商談でそのまま使える質問文の形でホームページ制作会社の選び方——契約前に確認すべき10項目にまとめています。初期費・月額の相場観と、見積書の各項目の読み方はクリニックのホームページ制作費用——相場と見積書の読み方で詳しく解説しています。

参考までに、当社の料金は初期制作 ¥98,000〜¥398,000(スタンダードは先着5院限定の開業応援価格 ¥198,000でご案内中)、月額 ¥9,800〜¥29,800(すべて税込)です。詳しくは料金のご案内をご覧ください。

五

医療広告ガイドライン——開業時に知らないと危ない注意点

医療機関のホームページは、医療法にもとづく医療広告ガイドラインの対象です。開業時に知らずに作ってしまいがちな例を挙げます。

これらは制作会社の自主ルールではなく、法律にもとづく規制です。医療機関の広告は医療法(第6条の5)で広告できる事項が限定されており、治療の内容や効果に関する体験談の掲載禁止は、その委任を受けた省令(医療法施行規則第1条の9)に定められています。そして違反があったとき、行政指導の矢面にまず立つのは制作会社ではなく、開設者である院の側です。「制作会社が大丈夫と言ったので」は通りません。

一方で、この規制には「限定解除」という仕組みがあります。問い合わせ先の明記など一定の要件を満たしたWebサイトでは、広告可能事項の限定が解除され、通常は広告できない情報も掲載できるようになります。クリニックの公式サイトが診療内容を詳しく紹介できているのは、この仕組みがあるからです。ただし要件の解釈には細かい論点が多いので、自院のサイトがどこまで書けるかは、医療広告に通じた制作者と個別に確認することをおすすめします。

精神科サイトでやりがちな表現——NGと言い換え

精神科・心療内科のサイトで実際に書きたくなる表現を例に、ガイドライン上の考え方と言い換えを並べます。

書きたくなる表現(NG) 言い換え(OK) 理由
「うつ病が治ります」 「うつ病の診療を行っています」 治療効果の保証と受け取られる表現は誇大広告にあたります
「患者様の声:先生のおかげで復職できました」 受診から復職までの一般的な流れを院の言葉で説明する 治療の内容・効果に関する体験談は掲載できません
「地域No.1のメンタルクリニック」 「土日も診療しています」 他院より優れていると示す比較優良・最上級表現は不可。事実を書けば足ります
「どんな心の悩みも解決します」 「うつ・不眠・不安などのご相談に対応しています」 対応範囲を実際より大きく見せる誇大広告にあたります
「絶対に安心な治療です」 「副作用や治療の限界も含めてご説明します」 医療に「絶対」はなく、虚偽広告と判断されうる表現です
「薬に頼らず治せます」 「薬物療法以外の選択肢もご相談いただけます」 効果の保証に加え、標準的な治療を不当に貶める印象を与えかねません

共通するのは、「盛る」のではなく「事実を具体的に書く」方向に言い換えることです。実は、事実を具体的に書いた文章のほうが、検索にも患者さんの安心にも効きます。

一次資料:厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

違反すると行政指導の対象になり得ますし、なにより患者さんの信頼を損ないます。医療を理解している制作者と、表現をひとつずつ確認しながら作ることをおすすめします。

六

任せ先の選び方——4つの確認ポイント

  1. 医療、とくに精神科の事情が伝わるか——専門用語やガイドラインの説明に毎回時間がかかる相手だと、忙しい開業準備期には負担になります
  2. 患者心理にもとづく設計か——見た目のきれいさだけでなく、「受診をためらう人がどこで不安になるか」を語れるか
  3. 公開後の運用まで見ているか——作って終わりではなく、検索データを見て改善を続ける体制があるか
  4. 専門的な手続きを任せられるか——ドメイン(サイトの住所)取得やサーバー契約まで代行してくれるか。ITに不慣れでも困らないか

当社は、精神科の現役医師が設計するという体制でこの4つに応えています。もちろん、他社と比較したうえでお選びください。判断材料として、実際に運用中の実例と、制作と集患の進め方(全工程)を公開しています。

開業前の無料相談を、受け付けています。

「まだ何も決まっていない」段階でも大丈夫です。開業日から逆算して、いつ・何をすべきかをご提案します。

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